侍学府の生徒たち〜キャラクタークラスの基本的な説明〜

★フューリアとは
 フューリアとは主にレヴァンティアース帝国貴族に生まれる、強大な力を持った「リエラ(※)」という存在を召喚できる召喚士のことです。レヴァンティアース帝国では、召喚のできる者をフューリア、できない者をエリアと呼び分けています。
 元来フューリアは北方の地イシュファリアに住んでいた原住民族で、レヴァンティアース帝国が成立するよりも遥かな昔に南方から侵入してきた民族がエリアであるとされています。帝国成立の経緯によってフューリアが貴族、エリアが平民となっていますが、その血は長い歴史の中で混じりあって、現在は平民からフューリアが生まれたり、貴族の家柄でありながらリエラを召喚できない者が生まれたりしています。
 現在はリエラを召喚できるかできないかがフューリアであるかないかの判断のポイントなので、「リエラを召喚できないフューリア」は存在しません。

※どのリエラも、必ずノンプレイヤーキャラクター(NPC)として扱われます。フューリアをプレイヤーキャラクター(PC)として登録した場合、リエラの基本的な設定はルールの範囲で自由に定めることができますが、ルールを逸脱した設定などはイベント小説には反映されません。また、イベント小説内でのリエラの行動は決めることができません。何かさせたい場合は「リエラに願う」という形で行動文章に書きます。

 呼び出されるリエラの形状は様々ですが、一人のフューリアが交信を行い呼び出せるリエラは生涯で唯一つであるとされています。一度パートナーと定まったなら、それを変えることはできません。
 リエラには深淵より召喚する通常のリエラと、自存型リエラと呼ばれる常に実体化しているリエラの二種が存在します。いずれも自我を持っていますし、フューリアとの「交信」で意思を疎通し、その状態で能力を発揮することは同じです。
 交信での疎通のみで、通常のリエラは喋りません。多くは大変無口ですが、自存型リエラは声を出して喋ります。通常のリエラはパートナーのフューリア以外とは意思の疎通をできませんが、自存型リエラはパートナー以外とも語り合うことができます。
 通常のリエラの場合、理論的には交信で意思の疎通が図れる距離は無限大です。世界の何処に居ようとも、交信は届きます。ただし特別に手段がない限り、リエラの居る場所の情報はリエラの語るもの以外にはフューリアには得られません。通常のリエラは自らで判断をしないため、遠距離に離れると繊細なことはできないでしょう。また、一度必ず目前に召喚しなくてはならないので、離れるとしてもフューリアのいる場所から出発することになります。リエラが移動するだけでもフューリアには負担がかかって疲労するため、通常のリエラが離れられる距離はフューリアが限界に至るまでであり、現実にはその距離はさほど長くありません。
 自存型リエラの場合、交信の届く距離は通常のリエラに比べて遥かに短いものとなります。その距離は、「声を出して届く」と「姿が見えている」の両方を満たす必要があります。「姿が見えている」は文字通り目視が条件なので、迷路の中ではぐれたら距離が近くても交信はできないということです。「声を出して届く」は、平原などで姿が見えていても大きな声を出して届かない距離であれば、やはり交信はできないということです。そのためもあって、多くの自存型リエラはパートナーの傍を離れることを嫌います。

 通常のリエラはより神に近く「願いを聞き届ける」ような形でフューリアの望みに応えます。通常のリエラはその善悪に関わらず、リエラの持つ力の範囲で、パートナーであるフューリアの願いを叶えようとします。
 しかし呼び出したフューリアの力量に比例するように、リエラにできることは限られています。リエラはダメージが蓄積したり、大きなダメージを受けると(いわゆるHP0の状態になると)消滅します。しかしそれは本当の消滅ではなく、再度呼び出せばまた同じ姿で現れます。しかし一回召喚するとフューリア自身が消耗し疲労しますので、連続で召喚することは難しくなっています。
 フューリアの力量が上がれば、純粋に破壊力が上がる他、耐えられるダメージも大きくなり、多少の無理が効くようにもなります。
 また力量が劣っていたとしても、フューリアに知恵があれば、応用を効かせることができることもあるかもしれません――良くも悪しくも、通常のリエラはフューリアの望む通りにしようとするのです。言い方を変えるならば、通常のリエラはけしてパートナーのフューリアに逆らいません。(※)それが結果を出せない、目的を果たせない方法だとしても……それでパートナーを死に至らしめるとしても、です。

※「逆らう」と設定しても構いませんが、その設定が「危険時に止めてくれる」等のように有利に働くことはありません。

 自存型リエラは、言わば受肉したリエラです。形状が様々であることは通常のリエラと変わりませんし、「生きている」ということとは違いますが、常に触れることのできる体を持っています。歳をとるという概念はなく、人型の場合も同じ姿で変わることはありません。
 自存型リエラはダメージを受けても、力を発揮できなくなるだけで、通常は消滅しません。限界を超えるダメージを受けたり力を使った場合には消滅することもありますが、どこまですれば自分が消滅するかを自存型リエラは把握しているので、消滅するようなことは基本的にしません。パートナーの命に関わるような事態にだけはやむを得ず消滅するようなことを行うものもいますが、それでもしない(パートナーの死の方を選ぶ)ものが8割にのぼるでしょう。それくらい、自存型リエラは消滅することを嫌います。
 自存型リエラが消滅した場合、数週間で体を再構成して、この世界のパートナーの元に戻ってきます。ただしパートナーと共に居た記憶をすべて失っていて、場合によってはそれまでとまったくの別人格となっています。
 自存型リエラは交信で呼び出されなくとも常にパートナーのフューリアの傍に居て、通常のリエラよりも人に近い強い自我と意思を持ち、自ら考え判断して行動します。可能な限り、自分とパートナーを守ろうとします。そのため、パートナーの願いを叶えないということも、しばしば起こります。危険がある、自存型リエラ自身の美意識に反する、様々な理由で自存型リエラはパートナーの願いを拒絶することがあります。また逆に勝手にフューリアの体力を使って能力を使う、勝手に交信状態にして技を使う、そういうことも必要とあれば行うことがあります。

 召喚に必須な「交信」には第1段階から第3段階まであり、第3段階で完全に召喚されたリエラは強大な破壊力を持っているため、本国レヴァンティアースでは許可なく行うことは禁じられています。
 侍学府でもそれに倣い、許可なく交信の第3段階にすることは禁ずるとなっています。
 交信第1段階は、リエラと意思の疎通ができたところまでです。この状態を維持して、フューリアは動き回ることができます。少しずつ疲労してはいきますが、ほぼ問題なく動くことができるでしょう。
 交信第2段階はリエラが姿を現すところまでです。第1段階よりも疲労する速度は上がりますが、まだ動くことができます。慣れた者ならば、第2段階で長時間維持することができます。この段階になるとリエラ固有の特殊能力を使用することができますが、特殊能力の使用によって交信状態を維持できなくなることはままあるようです。自存型リエラは非常に低い消耗で、常に交信第2段階を維持しているものと考えて良いようです。
 交信第3段階は、戦闘状態です。リエラは強力な技を使って攻撃を行えます。フューリアは防御膜のようなものに包まれ、ある程度の攻撃までは耐えられますが、不慣れな者ではまったく動くことができません。高い能力を持つ達人級のフューリアになると、この状態で戦闘行動がとれるようになる者もいます。

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