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★魔陣師とは
魔陣師は、ロウレアス大陸東部に位置する国フェズランド王国に古来より伝わる魔術師の系統の一派で、空間に「陣(防御陣とも言う)」と「領域」という魔法陣を描き、その中で力を発揮します。
侍やフューリアが血筋によって親から子に伝わることが多いのに対し、魔陣師はあまりそういうことは多くないようです。親子で魔陣師ということももちろんありますが、そうではないことも多いようです。魔陣師を含む魔術師たちは全員「学問の塔」に所属し技術と知識を研究することが定められており、学問の塔はフェズランド王国から保護されています。
楼国を訪れたのが魔陣師だけなのは、魔陣師の長だけが侍学府の招致に応じたからです。魔術師の系統は様々ですが、魔陣師はその中でも防御に秀でた系統となります。達人級の魔陣師になると非常に広い陣を描く事ができ、更に広い領域を描きます。基本的に陣の中には描いた魔陣師の許したものしか入ることができませんし、陣の中から「魔技」によって領域内にいるものに一方的に攻撃を仕掛けることもできますし、更に領域を陣のようにして内外に力の出入りを禁ずる結界を張れる者もいるので、それらは拠点防衛に絶大な力を発揮します。リエラを操るフューリアの特殊部隊を持つレヴァンティアース帝国と戦って一歩も譲らなかった背景には、魔陣師たちの存在があったようです。
ただし陣も無敵ではなく、力比べになった時には陣を破壊して侵入されることもあります。中にいる魔陣師自身は侍やフューリアと比べると大変脆弱なので、陣を破られた場合はとても厳しい事態になるでしょう。しかし陣や領域は他者の描いたものと重ねることもできるため、複数の魔陣師が守る拠点を破るのはやはり困難となります。魔陣師の弱点は陣を描くのに時間がかかることと、描いた後はその位置をほとんど動けないことです。領域を描いてしまったら、もうその位置からはまったく動くことができません。陣のみであった場合は、ゆっくりと歩く程度の早さでなら陣ごと移動することが可能です。描き始め〜途中の時点では、魔陣師は陣の中央にいなくてはなりませんが、描き終わった後は陣を動かさないならば陣の中では魔陣師は自由に動くことができます。また陣を維持するのには意識の集中等は必要がないため、陣の中で十分に休息をとれるのであれば、時間的にはほぼ無制限に陣を維持することができます。
しかし領域を維持するにはそれなりに疲労するため、領域を描いた後には半日程度の持続時間となります。達人級であっても、丸一日領域を維持するのは困難でしょう。それでも侍の剣神やリエラ召喚と比べれば、かなり長い持久時間となりますので、仮に戦ったとしても粘り勝てる見込みは十分にあるわけです。陣や領域は通常ぼんやりと輝いており、視覚で確認することができます。達人級になれば、見えないように描くことができる者もいるようです。
通常、陣や領域は地表に描かれますが、表面が固定である必要はありません。なので、水面や空間などにも描くことはできます。しかし海の船上などで描いてしまった場合、位置が動かないということが事故に繋がることもありますので気をつける必要があるようです。
領域の中で発揮できる力は、中心がより強く、外縁に向かって弱くなります。上空も同様です。
陣や領域を描くにあたっては、集中する媒体として長杖やアクセサリーを持つ魔陣師が多いですが、持つことが必須なのではありません。魔陣師はまずゆっくりと陣を描き、そこから一気に領域を広げます。領域を広げた状態まで来ると、その中に状態変化や幻影等を起こさせる「精錬」という個別の能力を発揮することができます。「精錬」は領域の一部分に強力な力をかける「魔技」とは異なり、広範囲で緩やかなものが多いようです。